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ありがとう(或いは、ごめんね)についての詩

ありがとう(或いは、ごめんね)についての詩

ありがとう、という言葉の速さ
ごめんね、という言葉の遅さ

これまで丁度伝えることができたのは
いったい幾度あっただろう

頭の中や胸の中にある
感情の沸き立つ速さ
しこりの様に長くある
想いの無くならない遅さ

どうすればもっと上手く
寄り添うことができるだろう

たくさんの
ありがとうやごめんねを繰り返して
間に合ったり間に合わなかったり
届けてみなけりゃ分からなかったり
勇気を出して 敬意を払って
それでも想いの込もる言葉を伝えられたら

そうしたら少しは前よりも
やさしくなれるかもしれないと
諦めきれずに気持ちが今日を駆けている

伝えられなくてもいい想いは
この世にはやはり無いのではないかと
そう思いながら

ありがとうとごめんねが
今日を強く生きている

 


【profile】
ヨシダマサムネ
兵庫県出身。様々なブランドのPRを務める傍ら、詩人としても活動している。詩の創作や作詞、ポエトリーリーディング、言葉にならない感情を言葉で描く。最新詩集は『星と獣』。

Instagram @msmn0418